彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大物芸術家や」

1 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:50:48.25 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`)「ボクはアウグスト・クビツェク」
家具職人の息子だ

( ¯灬¯ )「お疲れさん ほれ今月の給料だ」
(´・ω・`)「ありがとう」

( ˙灬˙ )「またオペラを見に行くのか?」
(´・ω・`)「う うん」

( ¯灬¯ )「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」

56 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:25:19.47 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)「調べるで!」

(´•ω•`)「え?」
彡(⦿)(⦿)「名前!住所!職業!家族構成!なにから何まで全部調べたる!!」

Σ(;´•ω•)「えぇ…」
アドルフ。それじゃあまるでストーカーだよ

( ;´-ω-` ) .。oO(でも…こうなったらもう……)
どうしようもないや…

62 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:28:01.33 ID:16zf69sG0.net

彡;(゚)(゚)「よっしゃ!行くで!」
彡(⦿)(⦿)ジー

J(„❛⌄❛„)……
J(„❛ꇴ❛„) ニコッ

彡(⦿)(⦿)「やった…気づいてくれた…!」
彡(^)(^)「やっぱり彼女もワイのことを…!」

( ;´-ω-` )「う〜ん たまたま目が合ったから…」
(;´・ω・` )「愛想よくしただけだと思うんだけど…」

彡(-)(-)「いいや そんなはずはない。 直感でわかる…」
彡(゚)(゚)「ワイと彼女は相思相愛なはずや!」

彡;(゚)(゚)「でクビツェク!次は?次はどうしたらいい!?」

17 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:02:33.36 ID:16zf69sG0.net

(ヽ’ん`)「最近どうだい? 相変わらず痩せてるねぇ!」

彼はアドルフの上着を親しげに触って、語りかけていた
アドルフは基本的には他人にとても礼儀ただしい
ボクはその紳士的なアドルフを役者アドルフと呼んでいる

今回は素のアドルフと役者のアドルフ
どっちのアドルフかな?

(´・ω・`)チラッ
(。゚ω゚) .。oO(あ!ヤバい)

彼の怒りの導火線に火がついてしまっている

( ; ›ω‹ ) .。oO(くるぞ来るぞ…)

100 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:48:09.45 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)「ちょうど議会の最中みたいやな」
彡(゚)(゚)「ええ機会やし、見学していくで」

(;´・ω・` )「えーやだよ、絶対につまらないもん」
彡(゚)(゚)「見学が二名や。案内を頼むわ」

( ;´-ω-` )「聞いてないし……」

門が開き、案内人に誘導され、見学席に座った

104 :風吹けば名無し 警備員[Lv.4][新苗]:2024/05/11(土) 12:50:53.48 ID:16zf69sG0.net

(´・ω・`) .。oO(とたんに騒がしくなった……)
でも、こんなの議論じゃない……罵り合いだ……

演説をしている一人に対して大勢の議員が怒声を浴びせている
議長が鈴を鳴らして注意してるけど
議員たちは机をバンバンと叩き、口笛まで吹いて対抗している

(´・ω・`) .。oO(子どもの喧嘩でさえ……、ここまでひどくはない)

52 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:23:30.48 ID:16zf69sG0.net

( ;´-ω-` )「あーあ」
( ¯•ω•¯ )「オペラが始まるまでアドルフの家で時間を潰す予定だったのに…」

彡(-)(-)「すまん ラント通りでも歩こうや」
( ´-ω-` )「そうしようか……」

Σ(´•ω•`)「ん?あれは……」

前方から長身でスラリとしたブロンド髪の娘が母親と歩いてきた
J(„❛⌄❛„)(๑ ’ᵕ’๑)           (゚)(゚)ミ(・ω・`)

(。゚ω゚) .。oO(すごい綺麗な人…)
でも見ない顔だな、引っ越してきたのかな?

10 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:57:50.10 ID:16zf69sG0.net

アドルフはこの一言に興味をもった
だから、ボクは学校でひどい成績だったことを正直に告げた

彡(゚)(゚)「クビツェク…勉強はちゃんとしんとダメやろ」
(。゚ω゚)「えぇ!?」

自分のことは棚に上げて……
矛盾してるよアドルフ………

81 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:37:46.39 ID:16zf69sG0.net

彡(;)(;)「ワイの努力は無駄やったんやろか…」
彡(;)(;)「ワイが考えた二人で暮らす家も…理想も…」

(´・ω・`)……

(´・ω・` )っ?「女の人は逃げても芸術は逃げないよ」
(`・ω・´)「芸術はいつだってボクらの手の中さ」

彡(゚)(゚)……
彡(-)(-)「…せやな」

彡(^)(^)「いいこと言うやんけ クビチェク」

65 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:29:53.08 ID:16zf69sG0.net

(⁻◎ω◎⁻)「ボクの調べによるとね。 彼女はダンスが好きらしいよ」
彡;(゚)(゚)「ダ、ダンス…!?」

(´・ω・`)「これを気にやってみたら?」
(`・ω・´)「 上流階級の人間にとってダンスは必修科目だよ」

彡;(゚)(゚)「いやや!ダンスなんて無意味で無価値で…とにかく駄目や!」

彡;(゚)(゚)「想像してみいや!音楽のないダンスを!」
彡(゚)(゚)「あいつらは気が狂ってるってわかるやろ! 」

?パンを得るための仕事?
といいアドルフの着眼点、発想、言葉のチョイスには驚かされる

?音楽のないダンスは気が狂っている?
なんてボクにはとうてい思いつけない

15 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:01:18.66 ID:RKDnieMF0.net

ええ友達やな

74 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:34:28.11 ID:16zf69sG0.net

それからもアドルフはステファニーへ熱い視線を送っていた
だが、その日は彼女の機嫌が悪かったようだ

J(„❛へ❛„)            彡(⦿)(⦿)(・ω・`)
ステファニーは明らか煙たそうにそっぽを向いた

11 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:58:35.00 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)「まだ終わらんのか 劇はもう始まっとるぞ」

アドルフは待ち合わせの時間になっても来ないボクを迎えに
仕事場までやってきていた

彼はボクの仕事を煩わしい障害かなにかだと思っているようだ
黒いステッキをグルンぐるんと振り回しながらせかし続けてくる

30 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:11:22.00 ID:16zf69sG0.net

ポツ…ポツ…
( ´-ω-` )「あーあ降ってきたよ…」

彡;(゚)(゚)「ここまで来たら引き返せん!」
彡(゚)(゚)「それに山の天気は変わりやすい すぐ晴れるわ」

┗(゚)(゚)ミ┓三三3    ┗(‘・ω・`; )┓三3

アドルフはボクの前をひたすらに歩いていく
あんなガリッポッチな体のどこにそんな体力があるのか不思議に思う…

彡()()「ゲホッゲホッ」
それに肺も弱いみたいだし…

86 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:40:29.09 ID:16zf69sG0.net

彡(•)(•)「ぐっ、もう一回や」
彡(-)(-)ノ びゅけびゃみゅ

(´^ω^`)「はっはっは、逆によくそんな音が出せるね」
彡(•)(•)「ぐぬぬぬ……」

(`・ω・´)「アドルフ、いいかい。楽器を弾くために必要なコトは」

(`・ω・´)「一つ、感覚や直感に頼らない体系的な勉強」
彡(•)(•)「ぐぬぬぬ……」

(`・ω・´)「一つ、絶え間ない練習」
彡(•)(•)「ぐぬぬぬ……」

(`・ω・´)「この勤勉と忍耐が必要不可欠なんだ」
(`・ω・´)「たしかにアドルフは優れた理解力、創造力を持っているけど」

(`・ω・´)「それでなんとかなるほど音楽は甘くないよ!」

66 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:30:21.34 ID:16zf69sG0.net

(`-ω-´) 彡(-)(-).。oO(No Dance! Fuck You Dance!! Go to Dance In Hell!!!)
と、ボクが感心しているそばで
アドルフはダンスをやらなくてすむ理由をずっと考えている
アイディアマンの彼でもこの問題には手を焼いていた

(≖ω≖。)ニヤリ彡(-)(-)
アドルフ、いつもさんざんボクをからかってきたよね
だから今回はボクの番だ

73 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:33:52.51 ID:16zf69sG0.net

(;´・ω・` )「ねえ アドルフ…」
彡(゚)(゚)「なんや!」

( ;´-ω-` )「その後 君たち二人はどこで暮らすんだい?」

彡()()「う……」
彡(-)(-)

アドルフが黙った

(´・ω・`) .。oO(あれ?)
もしかして初めてアドルフを論破したかも

78 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:36:14.92 ID:16zf69sG0.net

ステファニーは赤いヒナゲシ、白いマーガレットに囲まれて
最高に魅力的だった

アドルフはじっとステファニーを見つめている
すると、彼女は無邪気に微笑み
花を一本。アドルフに贈った

⚘┌┘✞└┐⚘  J(„❛ꇴ❛„)っ  ✿(⦿)(⦿)ミ(・ω・`)

そのときのアドルフの顔はとても幸せそうだった

42 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:17:58.30 ID:16zf69sG0.net

ザパンッ
(。゚ω゚)「あ、アドルフ!!」

\(´’д``)/               (゚)(゚)ミ三三3
アドルフはなんの迷いもなく、すっ飛んでいった

\(´’д``)/〵(゚)(゚)ミ三三3
そして無事、母は助かった

64 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:29:21.35 ID:16zf69sG0.net

それからアドルフは、彼なりの愛を表現するべく努力した
時には愛の詩を書き
また時には将来について真剣に悩んでいた

これには驚いた
アドルフの将来について
いったいどれだけ周りの大人が口を酸っぱくしたことか

( ・෴・)y-゚゚゚(*^◯^*)『学校』  彡(゚)(゚)  『仕事』(´0`(´0`(´0`

でも、どの言葉もアドルフには届かなかった
( ・෴・)y-゚゚゚(*^◯^*)     彡(-)(-)「……」    (´0`(´0`(´0`

なのに、一言も話していない彼女の声には耳を傾けたのだ
(„❛⌄❛„)「……」       彡(^)(^)「ワイは将来……!」

(´・ω・`) .。oO(恋の力ってすごいな…)

41 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:17:26.02 ID:16zf69sG0.net

お母さんは一人、突き出た岩の上に立ち、ボクたちを見守っていた

ドポン!

(´・ω・`) .。oO(ん?なんの音だろう…)
アドルフが飛び込んだのかな?

Σ(・ω・`;≡;´・ω・)「あれ!お母さんがいない…」
(。゚ω゚)「あ!溺れてる!!」

\(´’д``)/

(›ω‹`;≡;´›ω‹)「どうしよう!?どうしよう!?」
( ; ›ω‹ ) .。oO(は、早く助けなくちゃ…)

(´;ω;`)「わーん、どうしよう……」
ボクはパニックになってしまい、体が上手く動かせなかった

50 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:22:34.22 ID:16zf69sG0.net

(´・ω・`)「アドルフの兄弟って妹さんだけ?」
彡(-)(-)「うーん 姉がおるけど あれを姉とは……」

アドルフにはアンゲラという腹違いの姉がいた

彡(-)(-)「姉も姉なんやが」
彡(゚)(゚)「その旦那のラウバルって奴がまたエラくムカつく野郎で」

彡(•)(•)「酒、煙草、博打をやるクズなうえに」
彡(●)(●)「役人なんや!」

(´・ω・`) .。oO(アドルフとの相性は最悪だね)

彡(•)(•)「更にムカつくことに」
彡(•)(•)「 あいつは役人になれと口煩く言ってくるんや!」

彡(●)(●)「ホンマ腹立つで!」
( ´-ω-` ) .。oO(アドルフが激怒している姿が目に浮かぶよ)

101 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:49:14.45 ID:16zf69sG0.net

(´・ω・`)「お偉いさんが話をする所だけあって…すごい立派」
(´・ω・`)「議論の場だけでなく、オペラや演劇の場にもすればいいのに」

彡(゚)(゚)「よし、じゃあ説明していくで」

彡(゚)(゚)「あの高いところに座っとる奴がおるやろ?」
(´・ω・`)「うん、いるね」

彡(゚)(゚)「あいつが議長で鈴を鳴らすだけのお飾りや」
(´・ω・`)「へー」

彡(゚)(゚)「その下に堂々と座っとる連中がおるやろ」
(´・ω・`)「うん、いるね」

彡(゚)(゚)「あいつらは大臣で座っとるだけが仕事や」
(´・ω・`)「へー」

彡(゚)(゚)「誰も座っとらん長椅子があるやろ」
(´・ω・`)「うん、あるね」

彡(゚)(゚)「そこは議員の席なんやけど……」
彡(゚)(゚)「そいつらはお喋りが仕事で、今はロビーで駄弁っとる」

68 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:31:22.32 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)……
( ; ›ω‹ )ドキドキ!

彡(●)(●)「あああ〜!駄目や駄目や!断じて駄目や!!」
(。゚ω゚)!!

彡(゚)(゚)「彼女は周囲に付き合わされて無理やり踊らされてるだけや!」
彡(-)(-)「彼女は洗脳されとるんや…」

彡(•)(•)「許さんぞ 脳なしの士官どもめ…!」
彡(●)(●)「彼女と結婚したらダンスなんてやらんですむようにしたる!」

(;´・ω・` ) .。oO(やばっ、少しやりすぎたかな)

アドルフは壊れたレディオのように
彡(●)(●)「ダンスはダメや。ダンスはダメや」と呟いている

(´^ω^`) .。oO(まあでも、一晩たてばおちつくよね)

102 :風吹けば名無し 警備員[Lv.7][新初]:2024/05/11(土) 12:49:37.55 ID:C0ZNBN680.net

>>98
ファッ!?

33 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:13:02.87 ID:16zf69sG0.net

Σ彡(゚)(゚)「お! あれはリヒテンハーク城やん!」
彡(>)(<)「スケッチしたろ!」

(´・ω・`)「よくそんなに体力あるね…」
(´・ω・`)「体は僕より貧弱なのに…」

彡(゚)(゚)「毎日歩いとるからな ウォーキングは得意や」
Σ(゚)(゚)ミ「お、見ろやクビツェク ゲオルゲン村も見えるぞ」

(´・ω・`)「本当だね…」

彡(-)(-)「あそこは農民戦争の舞台になった場所なんや…」
彡(>)(<)「今度はあそこに行ってみるで」

(´・ω・`; )「えー…今更なにも残ってないでしょ」
彡(゚)(゚)「行ってみんとわからんやろ」

37 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:15:16.02 ID:16zf69sG0.net

彡(^)(^)「いや〜 お若く綺麗ですなぁ!」
彡(^)(^)「写真館の方もきっとよいお仕事をなされたに違いない!」

Σ(∗ ‘ω’ ∗)「あらお上手!」

?生真面目な男?
それがアドルフと短い時間で関わった人間が持つ彼の印象だ

25 :風吹けば名無し ころころ:2024/05/11(土) 12:07:48.63 ID:16zf69sG0.net

アドルフはボクの家に遊びにきていた

(´・ω・`)「まぁ汚いけどゆっくりしていってよ」

彡(^)(^)「お邪魔します。」
彡(゚)(゚)「って誰もおらんのか」

(´・ω・`)「母さんたちは写真館に行くってさ」
彡(゚)(゚)「そうなんか…。ワイは写真が嫌いや」

(´・ω・`)「でも学校で撮らされたでしょ」

彡(-)(-)「あれは苦痛やった」
彡(゚)(゚)「なんでやつらと一緒に写真を撮らなあかんねん」

43 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:18:21.54 ID:16zf69sG0.net

(´’ω’`)「ありがとうアドルフ君」
(`’ω’´)「あなたは命の恩人よ!」

(´;ω;`)「ほんとうにありがとう アドルフ」
彡(゚)(゚)「当たり前のことをしただけや!礼なんていらんわ」

彡(-)(-)「ですが母君…」
彡(゚)(゚)「気をつけるに越したことはありませんよ」

39 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:16:24.88 ID:16zf69sG0.net

(´・ω・`) .。oO(アドルフはたしかに雄弁である)
でも、アドルフの口から発せられる百の言葉はあまりに壮大で
すべて、虚構か妄想のたぐいにすぎなかった

それでも、彼の言葉に説得力があったのは……
アドルフのその目が本気であると訴えていたからだと思う

14 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:00:43.96 ID:16zf69sG0.net

大人しくて受け身がちなボク
相手の立場に感情移入できて順応性がある
対してアドルフは極めて短気で激しい気性
唐突に怒り狂うことがしばしばだ

(´・ω・`)ノ♬〵(゚)(゚)ミ 
こんな正反対なボクらだけど芸術という共通の趣味で繋がっていた
ボクが聞き役でアドルフが話す役
舞台ならピッタリな配役だ

23 :風吹けば名無し 警備員[Lv.11(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:06:38.99 ID:RKDnieMF0.net

美大に落ちなかったヒトラー見てみてぇなぁ

61 :風吹けば名無し 警備員[Lv.25(前33)][苗]:2024/05/11(土) 12:27:52.17 ID:UVzZflxx0.net

お前がユダヤを根絶やしにしなかったせいでガザが地獄やぞ

89 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:42:08.63 ID:16zf69sG0.net

彡(-)(-)「はぁ……」
彡(゚)(゚)「今日の演劇はひどかった…」

( ´-ω-` )「たしかに…」

僕たちは劇場で『ローエングリン』の上演を見てきた
リンツの劇場は昔ながらの古い建物だ
だから、あらゆるものが欠けていた
機械設備、衣装、小道具、楽器…
でも田舎の劇場だから仕方のないことだ

( ;´-ω-` )「でもまさか、背景画が音を立てて落ちてくるなんて…」
(´・ω・`)「ワーグナーの描く壮大な世界感が台無しだよ」

彡(•)(•)「ワイはあの男性合唱団が許せん!」
彡(●)(●)「偉そうにイギリスじみた髭を生やしおって!!」

53 :風吹けば名無し 警備員[Lv.12(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:23:44.07 ID:RKDnieMF0.net

ここまで役人嫌いやとやきうよりケンモメンの方が似合ってるかもしれん

49 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:21:43.58 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)「部屋に案内するわ 」ギシギシ
(´・ω・`)「あ、この写真って……」

手入れの行き届いたカイゼル髭に少し怒ったような顔つき
そして、いかにもな役人顔

( ・෴・)y-゚゚゚
十中八九、写真に映っているのはアドルフのお父さんだろう

彡(-)(-)「今日はチビがいないからええわ」
彡(゚)(゚)「一度興奮し始めたらうるさいからな」

(´・ω・`) .。oO(チビ?)
(´・ω・`)「ああ 確か九歳になった妹さんだよね」

49 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:21:43.58 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)「部屋に案内するわ 」ギシギシ
(´・ω・`)「あ、この写真って……」

手入れの行き届いたカイゼル髭に少し怒ったような顔つき
そして、いかにもな役人顔

( ・෴・)y-゚゚゚
十中八九、写真に映っているのはアドルフのお父さんだろう

彡(-)(-)「今日はチビがいないからええわ」
彡(゚)(゚)「一度興奮し始めたらうるさいからな」

(´・ω・`) .。oO(チビ?)
(´・ω・`)「ああ 確か九歳になった妹さんだよね」

91 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:43:25.61 ID:16zf69sG0.net

彡(-)(-)「ふむふむ」

(´・ω・`)「なに読んでるの?」
彡(゚)(゚)「ワーグナーの伝記や」

(´・ω・`)「あれ?前もそれ読んでたよね」
彡(゚)(゚)「あれはワーグナーの手紙や」

(´・ω・`)「ん?その前は?」
彡(゚)(゚)「あれはワーグナーの日記や」

(´・ω・`)……

(´・ω・`)「ボクもワーグナーの大ファンだけど…」
(´-ω-`)「アドルフには負けるよ」

45 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:19:51.14 ID:16zf69sG0.net

彡(゚)(゚)は語った
「あいつの仕事のせいで幼い頃は」
「オーストリア中を引っ越して回る羽目になったんや」
「まあ、 一時期バイエルンにいれたことだけは感謝しとるけどな」
「税関だかなんだか知らんが ワイらに高圧的にかかってきて」
「学校にいた時は成績やらなんやらでよく殴られたもんやで」

彡(^)(^)「死んでせいせいしたわ!」

(;´・ω・` )「そ、そうなんだ…」
(´・ω・`)「ねぇ、今度アドルフの家に行っていい?」

彡(゚)(゚)「ん? 別に構へんで」

12 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:59:18.41 ID:16zf69sG0.net

(ꐦ^ω^)「もう少し、待って」
イラっとしながらもボクは不思議だった
どうして彼は暇なのだと
だから何気なく聞いた

(ꐦ^ω^)「アドルフは何か仕事をしてないの?」
彡()()「……」

(´・ω・`)??
彡(●)(●) 「冗談やない!」

(。゚ω゚)!!

85 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:40:01.39 ID:16zf69sG0.net

(ꐦ^ω^).。oO(ムッ、このまま調子に乗らせるわけには…)
(ꐦ^ω^)「全然、理論ができていても実際に弾けないと意味ないよ」

彡(^)(^)「ワイは天才やから、そんなも余裕や」
( ¯•ω•¯ )つ「じゃあ、ここにヴィオラがあるから弾いてみなよ」

彡(゚)(゚)ノ「こんなもん、こうや!」
彡(-)(-)ノ ビャバヤビィー

(´^ω^`)「なんだいその音www」
(´・ω・`)ノ「こうやるんだよ」

( ´-ω-` )ノ レー♬
(´^ω^`)「ね、頭で分かっていても実際には弾けないんだよ」

35 :風吹けば名無し 警備員[Lv.11(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:13:38.63 ID:RKDnieMF0.net

行動力の塊なんやな

5 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:53:57.85 ID:16zf69sG0.net

ブー

( ´-ω-` ) .。oO(休憩だ…もう半分か)
ずっとこの時間を楽しんでいたいのに

(´・ω・`) .。oO(んーそれにしても)
今日の公演は音楽と演出はいいんだけど……

彡(-)(-)「歌手が微妙やな」
Σ( °ω° )

(´^ω^`)「そうそう! 歌手が台無しにしてるよね」
この一言がきっかけだった

(´・ω・`) (゚)(゚)ミ
一九〇四年の十一月。ボクと彼は出会った

3 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:52:07.45 ID:16zf69sG0.net

♬♪♪♪

(´^ω^`) .。oO(ああ〜いい。いい! )
どんな疲れも癒される
本当に…芸術からは勇気を貰えるよ

( ;´-ω-` ) .。oO(でも……)
柱が少し邪魔だなぁ
あいつがいなければもっとよく見えたのに
そういえば前もあいつに場所を取られたような…?

36 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:14:14.66 ID:16zf69sG0.net

ボクの家の前

( ;´-ω-` )「やっと家に着いた…もうクタクタだよ」
(∗ ‘ω’ ∗)「クビツェクどうしたの?びしょ濡れじゃない」

(´・ω・`)「あ お母さん 写真館から帰ったんだね」
(∗ ‘ω’ ∗)「あら そちらのかたは?」

彡(•)(•)「私はアドルフ・ヒトラーと申します」
彡(•)(•)「いつもクビツェクさんとは楽しく過ごさせて頂いています」

(∗ ‘ω’ ∗)「これはご丁寧に」

(´・ω・`) .。oO(役者モードのアドルフ……)
よくぞまあ、ここまで見事に演じ分けができるよ

57 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:25:47.60 ID:16zf69sG0.net

あれから三日
なぜかボクがブロンドの彼女について調べることになっていた
┃ω・`)チラリッ…     J(„❛⌄❛„)

72 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:32:56.88 ID:16zf69sG0.net

アドルフは極めて詳細に誘拐計画…愛の逃避行計画を練っていた
なんと!ボクの役割も決まっていた
ボクがステファニーの母と話して気を引いている隙に……
彼がステファニーを強奪するというのだ
はた迷惑にもほどがある…
でも、アドルフの計画には明らかな穴があった

46 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:20:35.46 ID:16zf69sG0.net

(´・ω・`)「お邪魔します」
彡(゚)(゚)「母さん こいつは同志のクビツェクや」

(*^◯^*)「あら アドルフがお友達を連れてくるなんて珍しい」

彡;(゚)(゚)「う、うるさいわ」
(´・ω・`)「こんにちは」

(。゚ω゚) .。oO(おお…)
この目の大きさ…眼光…アドルフとそっくりだ!

(´・ω・`) .。oO(でも、内面は父親似…)
おっと、これはアドルフに言えない…

75 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:34:54.60 ID:16zf69sG0.net

彡(◦)(◦)!?
アドルフは絶望の淵へと追いやられた

彡;(゚)(゚)「もう耐えられへん! 終わりにするで!」
彡;(゚)(゚)「橋からドナウ川に飛び込んだる」

彡(●)(●)「勿論、ステファニーも一緒に死ななアカン!」
(;´・ω・` )「えぇ…」

それから三週間。アドルフの頭にはその計画しかなかった
非力なボクは恐る恐る彼を見守るしかできなかった

79 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:36:39.19 ID:16zf69sG0.net

(´・ω・`).。oO(よかったね、アドルフ)
一事はどうなるかと思ったけど
何も起きなくて本当にホッとしたよ

祭り後

彡(-)(-)「やっぱり……やっぱりそうやったんや」
彡(⦿)(⦿)「彼女はワイのことが好きなんや!」

( ;´-ω-` )「はぁ〜」

84 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:39:21.72 ID:16zf69sG0.net

(;´・ω・` )「じゃあ問題だけど……」
(´・ω・`)「n≧3のときXn+Yn=Znを満たす自然数X, Y, Zは?」

彡(-)(-)「うーん」
彡(゚)(゚)「解なしやな!」

( ;´-ω-` )「ぎゃふん……」
彡(^)(^)「これでワイも音楽マスターや」