元スレ
1 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:50:48.25 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`)「ボクはアウグスト・クビツェク」
家具職人の息子だ
( ¯灬¯ )「お疲れさん ほれ今月の給料だ」
(´・ω・`)「ありがとう」
( ˙灬˙ )「またオペラを見に行くのか?」
(´・ω・`)「う うん」
( ¯灬¯ )「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」
14 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:00:43.96 ID:16zf69sG0.net
大人しくて受け身がちなボク
相手の立場に感情移入できて順応性がある
対してアドルフは極めて短気で激しい気性
唐突に怒り狂うことがしばしばだ
(´・ω・`)ノ♬〵(゚)(゚)ミ
こんな正反対なボクらだけど芸術という共通の趣味で繋がっていた
ボクが聞き役でアドルフが話す役
舞台ならピッタリな配役だ
80 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:37:21.13 ID:16zf69sG0.net
アドルフは社会規範を何よりも嫌っていた
でも、好きな人
ステファニーと接する際には誰よりも社会のルールを厳守した
彡(-)(-)「結局 ワイは未だに自己紹介すらできておらん…」
アドルフはルールを守ることにより……
一つの事実から自らを守っていたのかもしれない
彡(゚)(゚)「ワイの片思い…なんやろか…」
アドルフの熱意が彼女に伝わることはなかった
55 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:24:53.17 ID:16zf69sG0.net
彡(⦿)(⦿)(´・ω・) ε= J(„❛⌄❛„) (๑ ’ᵕ’๑)
母娘が去っていってもアドルフは動かなかった
彡(⦿)(⦿) (・ω・`)「ねぇ アドルフ 彼女はもう行ったよ…」
彡(⦿)(⦿)⊂(・ω・`)「元に戻ってよ…」
彡(⦿)(⦿)「クビツェク これは恋か?」
(´・ω・`)「だろうね」
彡(⦿)(⦿)……
(;´・ω・` )「ねえ、聞いてる?」
彡(⦿)(⦿)……
(;´・ω・` )「ねえ!」
9 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:57:06.90 ID:16zf69sG0.net
『学校』
その単語を聞いたアドルフは怒りを爆発させた
彡(●)(●)「学校なんてところは ナマケ者を作る場所でしかない!!」
彡(゚)(゚)「そんな話より『リエンツィ』について語ろうや」
(´・ω・`)「まぁまぁ そうせっかちにならないで」
どうやらアドルフは学校に行ってないみたいだ
(´・ω・`) .。oO(学校か…)
(´・ω・`)「ボクも学校にはいい思い出がないや…」
彡(゚)(゚)「ん どうしてや?」
22 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:05:57.87 ID:16zf69sG0.net
(´-ω-`)…孤独だった
(`・ω・´) .。oO(でも、今はちがう!)
(´^ω^`)「うん そうだよね!」
(´^ω^`)「ボクも本当は音楽家になりたいんだ!」
彡(゚)(゚)「いまさら何を言っとるんや…変な奴やなぁ」
89 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:42:08.63 ID:16zf69sG0.net
彡(-)(-)「はぁ……」
彡(゚)(゚)「今日の演劇はひどかった…」
( ´-ω-` )「たしかに…」
僕たちは劇場で『ローエングリン』の上演を見てきた
リンツの劇場は昔ながらの古い建物だ
だから、あらゆるものが欠けていた
機械設備、衣装、小道具、楽器…
でも田舎の劇場だから仕方のないことだ
( ;´-ω-` )「でもまさか、背景画が音を立てて落ちてくるなんて…」
(´・ω・`)「ワーグナーの描く壮大な世界感が台無しだよ」
彡(•)(•)「ワイはあの男性合唱団が許せん!」
彡(●)(●)「偉そうにイギリスじみた髭を生やしおって!!」
104 :風吹けば名無し 警備員[Lv.4][新苗]:2024/05/11(土) 12:50:53.48 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`) .。oO(とたんに騒がしくなった……)
でも、こんなの議論じゃない……罵り合いだ……
演説をしている一人に対して大勢の議員が怒声を浴びせている
議長が鈴を鳴らして注意してるけど
議員たちは机をバンバンと叩き、口笛まで吹いて対抗している
(´・ω・`) .。oO(子どもの喧嘩でさえ……、ここまでひどくはない)
62 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:28:01.33 ID:16zf69sG0.net
彡;(゚)(゚)「よっしゃ!行くで!」
彡(⦿)(⦿)ジー
J(„❛⌄❛„)……
J(„❛ꇴ❛„) ニコッ
彡(⦿)(⦿)「やった…気づいてくれた…!」
彡(^)(^)「やっぱり彼女もワイのことを…!」
( ;´-ω-` )「う〜ん たまたま目が合ったから…」
(;´・ω・` )「愛想よくしただけだと思うんだけど…」
彡(-)(-)「いいや そんなはずはない。 直感でわかる…」
彡(゚)(゚)「ワイと彼女は相思相愛なはずや!」
彡;(゚)(゚)「でクビツェク!次は?次はどうしたらいい!?」
59 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:26:51.80 ID:16zf69sG0.net
彡(⦿)(⦿)「いや! 諦めん!」
(。゚ω゚)!!
アドルフは一人さっさと走り出した
┗(゚)(゚)ミ┓三三3 (‘・ω・`; )
16 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:01:34.03 ID:16zf69sG0.net
彡(゚)(゚)「クビツェク 迎えにきたで」
(´・ω・`; )「うーん ちょっと待って」
彡(゚)(゚)「遅い 始まってしまうぞ」
(´・ω・`)「ごめんごめん 木屑の掃除が大変でさ」
ボクたちは小道を歩いた
彡(゚)(゚)「クビツェク…ワイはいつかこの田舎町から出ていくつもりや」
(´・ω・`)「どこに行くの?」
彡(^)(^)「もちろんウィーンや!」
(´・ω・`)「羨ましいなぁ ボクも……」
(ヽ’ん`)「お? アドルフ! アドルフじゃないか!」
(´・ω・`) .。oO(誰だろう…)
ボクらと同じ十六才くらい…アドルフの元クラスメイトかな?
71 :風吹けば名無し 警備員[Lv.12(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:32:40.28 ID:RKDnieMF0.net
7 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:56:00.01 ID:RKDnieMF0.net
これは良スレ
90 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:42:42.02 ID:16zf69sG0.net
( ´-ω-` )「やっぱり…」
(;´・ω・` )「ちゃんとしたモノを見たいなら都会に行かないとね…」
彡(-)(-)「まあ、それが田舎の劇のええとこやな…」
(´•ω•`)「え?どういうことだい?」
彡(゚)(゚)「後で感動する余韻が残されとるやろ」
彡(-)(-)「きっとワイらがウィーンでちゃんとした劇を見たら…」
彡(゚)(゚)「今回の劇がアクセントになってさらに感動するはずや!」
(´・ω・`)「たしかに…でも、アドルフはさすがだね」
彡(゚)(゚)「ん?なにがや?」
(´・ω・`)「後で感動する余韻が残ってるって…」
(´^ω^`)「とてもステキな表現だと思うよ」
彡(^)(^)「せやろ!!」
48 :風吹けば名無し 警備員[Lv.12(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:21:41.31 ID:RKDnieMF0.net
ハメポジに眼力…?
29 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:10:56.29 ID:16zf69sG0.net
ボクとアドルフはろくな準備もせず家を出た
そして、小高い丘を登り始めてからしばらく
(‘@ω@`)「ア アドルフ 少しキツくない…?」
彡(゚)(@)「そ そんなんじゃ屈強なゲンマンになれんで…」
彡(゚)(゚)「お 丘が見えてきた! あそこからの眺めが最高なんや!」
┗(゚)(@)ミ┓┗(‘@ω@`)┓三3
95 :風吹けば名無し 警備員[Lv.12(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:45:12.70 ID:RKDnieMF0.net
95 :風吹けば名無し 警備員[Lv.12(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:45:12.70 ID:RKDnieMF0.net
30 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:11:22.00 ID:16zf69sG0.net
ポツ…ポツ…
( ´-ω-` )「あーあ降ってきたよ…」
彡;(゚)(゚)「ここまで来たら引き返せん!」
彡(゚)(゚)「それに山の天気は変わりやすい すぐ晴れるわ」
┗(゚)(゚)ミ┓三三3 ┗(‘・ω・`; )┓三3
アドルフはボクの前をひたすらに歩いていく
あんなガリッポッチな体のどこにそんな体力があるのか不思議に思う…
彡()()「ゲホッゲホッ」
それに肺も弱いみたいだし…
54 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:24:01.34 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`)「ねえ アドルフ。あの娘かわいいね」
シーン……
(´・ω・`)「あれ?反応がない」
(´・ω・`)チラッ
Σ(。゚ω゚)「え?」
J(„❛⌄❛„) (๑ ’ᵕ’๑) (⦿)(⦿)ミ( °ω° )
ど、瞳孔が開いてる!只でさえ大きい目が更に大きくなってる!!
93 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:44:22.59 ID:16zf69sG0.net
ワーグナーは七十歳まで生きたけど
それだけ生きたんだから
良い時、悪い時もあっただろうし
成功も失敗も多くを経験したんだろうけど……
( ´-ω-` ) .。oO(アドルフはまだ十七じゃないか……)
それに創作したものなんて数枚のスケッチや水彩画くらい
父親の死と、退学を経験しているけど……
ワーグナーの迫害され、追放された波乱に満ちた生涯にはほど遠い
それなのに、まるでワーグナーの人生を自分が歩んできたように語る
36 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:14:14.66 ID:16zf69sG0.net
ボクの家の前
( ;´-ω-` )「やっと家に着いた…もうクタクタだよ」
(∗ ‘ω’ ∗)「クビツェクどうしたの?びしょ濡れじゃない」
(´・ω・`)「あ お母さん 写真館から帰ったんだね」
(∗ ‘ω’ ∗)「あら そちらのかたは?」
彡(•)(•)「私はアドルフ・ヒトラーと申します」
彡(•)(•)「いつもクビツェクさんとは楽しく過ごさせて頂いています」
(∗ ‘ω’ ∗)「これはご丁寧に」
(´・ω・`) .。oO(役者モードのアドルフ……)
よくぞまあ、ここまで見事に演じ分けができるよ
79 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:36:39.19 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`).。oO(よかったね、アドルフ)
一事はどうなるかと思ったけど
何も起きなくて本当にホッとしたよ
祭り後
彡(-)(-)「やっぱり……やっぱりそうやったんや」
彡(⦿)(⦿)「彼女はワイのことが好きなんや!」
( ;´-ω-` )「はぁ〜」
100 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:48:09.45 ID:16zf69sG0.net
彡(゚)(゚)「ちょうど議会の最中みたいやな」
彡(゚)(゚)「ええ機会やし、見学していくで」
(;´・ω・` )「えーやだよ、絶対につまらないもん」
彡(゚)(゚)「見学が二名や。案内を頼むわ」
( ;´-ω-` )「聞いてないし……」
門が開き、案内人に誘導され、見学席に座った
40 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:16:56.82 ID:16zf69sG0.net
ボクとアドルフは川遊びに来ていた
泳ぎには二人とも自信があった
なのに心配だからとボクのお母さんまで付いてきていた
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・` )┓三三3 (∗ ‘ω’ ∗) 三3
15 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:01:18.66 ID:RKDnieMF0.net
ええ友達やな
45 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:19:51.14 ID:16zf69sG0.net
彡(゚)(゚)は語った
「あいつの仕事のせいで幼い頃は」
「オーストリア中を引っ越して回る羽目になったんや」
「まあ、 一時期バイエルンにいれたことだけは感謝しとるけどな」
「税関だかなんだか知らんが ワイらに高圧的にかかってきて」
「学校にいた時は成績やらなんやらでよく殴られたもんやで」
彡(^)(^)「死んでせいせいしたわ!」
(;´・ω・` )「そ、そうなんだ…」
(´・ω・`)「ねぇ、今度アドルフの家に行っていい?」
彡(゚)(゚)「ん? 別に構へんで」
91 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:43:25.61 ID:16zf69sG0.net
彡(-)(-)「ふむふむ」
(´・ω・`)「なに読んでるの?」
彡(゚)(゚)「ワーグナーの伝記や」
(´・ω・`)「あれ?前もそれ読んでたよね」
彡(゚)(゚)「あれはワーグナーの手紙や」
(´・ω・`)「ん?その前は?」
彡(゚)(゚)「あれはワーグナーの日記や」
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「ボクもワーグナーの大ファンだけど…」
(´-ω-`)「アドルフには負けるよ」
38 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:15:45.66 ID:16zf69sG0.net
彡(-)(-)「それでは私はこの辺で失礼します」
彡(゚)(゚)/「ほな、またな クビツェク」
(´・ω・`)ノ”「うん またね」
(∗ ‘ω’ ∗)「彼がいつも話してくれるアドルフ君?」
(´・ω・`)「うん そうだよ」
(∗ ‘ω’ ∗)「すごい目をしている子ね!」
母の言葉には、称賛よりも驚嘆がこもっていた
44 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:19:00.59 ID:16zf69sG0.net
アドルフのお父さん
アロイス・ヒトラーは既に他界していた
以前、その事についてそれとなく聞いてみたことがある
( ´-ω-` )「お父さんはボクを家具職人にしたいと思っているんだよ」
(´・ω・`)「どう思う?」
彡(゚)(゚)「父親は子を縛りつけたがるもんや」
彡(-)(-)「ワイの親父もワイを役人にさせようと必死やった」
(´・ω・`)「へえ」
彡(゚)(゚)「まったく こっちはいい迷惑や」
66 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:30:21.34 ID:16zf69sG0.net
(`-ω-´) 彡(-)(-).。oO(No Dance! Fuck You Dance!! Go to Dance In Hell!!!)
と、ボクが感心しているそばで
アドルフはダンスをやらなくてすむ理由をずっと考えている
アイディアマンの彼でもこの問題には手を焼いていた
(≖ω≖。)ニヤリ彡(-)(-)
アドルフ、いつもさんざんボクをからかってきたよね
だから今回はボクの番だ
63 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:28:48.13 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`; )「普通なら食事に誘ったり…」
(´・ω・`; )「ご両親に挨拶するんじゃない?」
彡;(゚)(゚)「いやいやいや それはちょっと早いやろ」
彡(>)(<)「やっぱもう少し ひっそりと愛を育んでから…」
(´・ω・`)「もう好きにしなよ…」
68 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:31:22.32 ID:16zf69sG0.net
彡(゚)(゚)……
( ; ›ω‹ )ドキドキ!
彡(●)(●)「あああ〜!駄目や駄目や!断じて駄目や!!」
(。゚ω゚)!!
彡(゚)(゚)「彼女は周囲に付き合わされて無理やり踊らされてるだけや!」
彡(-)(-)「彼女は洗脳されとるんや…」
彡(•)(•)「許さんぞ 脳なしの士官どもめ…!」
彡(●)(●)「彼女と結婚したらダンスなんてやらんですむようにしたる!」
(;´・ω・` ) .。oO(やばっ、少しやりすぎたかな)
アドルフは壊れたレディオのように
彡(●)(●)「ダンスはダメや。ダンスはダメや」と呟いている
(´^ω^`) .。oO(まあでも、一晩たてばおちつくよね)
60 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:27:28.15 ID:16zf69sG0.net
彡(゚)(゚)「なにしとるんやクビツェク! ラント通りに行くで!」
(;´・ω・` )「昨日も一昨日も行って会えなかったじゃないか…」
彡(゚)(゚)「いいや!今日こそは会える!」
彡(⦿)(⦿)「会えさえすれば。この目力で彼女を振り向かせたる」
( ´-ω-` ) .。oO(ボクはそういう意味で君の目を誉めたんじゃないんだけど…)
(。゚ω゚)「あ!!」
か、彼女だ! まさかこのタイミングで…!
52 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:23:30.48 ID:16zf69sG0.net
( ;´-ω-` )「あーあ」
( ¯•ω•¯ )「オペラが始まるまでアドルフの家で時間を潰す予定だったのに…」
彡(-)(-)「すまん ラント通りでも歩こうや」
( ´-ω-` )「そうしようか……」
Σ(´•ω•`)「ん?あれは……」
前方から長身でスラリとしたブロンド髪の娘が母親と歩いてきた
J(„❛⌄❛„)(๑ ’ᵕ’๑) (゚)(゚)ミ(・ω・`)
(。゚ω゚) .。oO(すごい綺麗な人…)
でも見ない顔だな、引っ越してきたのかな?
5 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:53:57.85 ID:16zf69sG0.net
ブー
( ´-ω-` ) .。oO(休憩だ…もう半分か)
ずっとこの時間を楽しんでいたいのに
(´・ω・`) .。oO(んーそれにしても)
今日の公演は音楽と演出はいいんだけど……
彡(-)(-)「歌手が微妙やな」
Σ( °ω° )
(´^ω^`)「そうそう! 歌手が台無しにしてるよね」
この一言がきっかけだった
(´・ω・`) (゚)(゚)ミ
一九〇四年の十一月。ボクと彼は出会った
42 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:17:58.30 ID:16zf69sG0.net
ザパンッ
(。゚ω゚)「あ、アドルフ!!」
\(´’д``)/ (゚)(゚)ミ三三3
アドルフはなんの迷いもなく、すっ飛んでいった
\(´’д``)/〵(゚)(゚)ミ三三3
そして無事、母は助かった
78 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:36:14.92 ID:16zf69sG0.net
ステファニーは赤いヒナゲシ、白いマーガレットに囲まれて
最高に魅力的だった
アドルフはじっとステファニーを見つめている
すると、彼女は無邪気に微笑み
花を一本。アドルフに贈った
⚘┌┘✞└┐⚘ J(„❛ꇴ❛„)っ ✿(⦿)(⦿)ミ(・ω・`)
そのときのアドルフの顔はとても幸せそうだった
67 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:30:51.62 ID:16zf69sG0.net
(´・ω・`)「そんなこといっても仕方ないよ…」
(´・ω・`)「なによりステファニー本人がダンスを好きなんだよ」
(`・ω・´)「やるしかないよ ほらこうやって彼女を誘うのさ」
‹‹¥(´ω` )/››‹‹¥( ´)/›› ‹‹¥( ´ω`)/››‾♪「シャルウィーダァアンスってね」
28 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:10:08.19 ID:16zf69sG0.net
彡(^)(^)「よっしゃ!これから遠足にいくで!」
(´・ω・`; )「ええ!? そんな急に…」
(´・ω・`)「今日は劇場へ行かないの?」
彡(゚)(゚)「予定変更や!さっさと行くで」
( ´-ω-` )「もう お弁当を作るから少し待ってて」
彡(゚)(゚)「そんなもんいらん パンと牛乳があればええ」
彡(゚)(゚)「ほら、行くで!」
(。゚ω゚)「ちょっと、待ってよ!」
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`; )┓三三3
12 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:59:18.41 ID:16zf69sG0.net
(ꐦ^ω^)「もう少し、待って」
イラっとしながらもボクは不思議だった
どうして彼は暇なのだと
だから何気なく聞いた
(ꐦ^ω^)「アドルフは何か仕事をしてないの?」
彡()()「……」
(´・ω・`)??
彡(●)(●) 「冗談やない!」
(。゚ω゚)!!
84 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:39:21.72 ID:16zf69sG0.net
(;´・ω・` )「じゃあ問題だけど……」
(´・ω・`)「n≧3のときXn+Yn=Znを満たす自然数X, Y, Zは?」
彡(-)(-)「うーん」
彡(゚)(゚)「解なしやな!」
( ;´-ω-` )「ぎゃふん……」
彡(^)(^)「これでワイも音楽マスターや」
102 :風吹けば名無し 警備員[Lv.7][新初]:2024/05/11(土) 12:49:37.55 ID:C0ZNBN680.net
53 :風吹けば名無し 警備員[Lv.12(前12)][苗]:2024/05/11(土) 12:23:44.07 ID:RKDnieMF0.net
ここまで役人嫌いやとやきうよりケンモメンの方が似合ってるかもしれん
17 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 12:02:33.36 ID:16zf69sG0.net
(ヽ’ん`)「最近どうだい? 相変わらず痩せてるねぇ!」
彼はアドルフの上着を親しげに触って、語りかけていた
アドルフは基本的には他人にとても礼儀ただしい
ボクはその紳士的なアドルフを役者アドルフと呼んでいる
今回は素のアドルフと役者のアドルフ
どっちのアドルフかな?
(´・ω・`)チラッ
(。゚ω゚) .。oO(あ!ヤバい)
彼の怒りの導火線に火がついてしまっている
( ; ›ω‹ ) .。oO(くるぞ来るぞ…)
31 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:11:56.85 ID:16zf69sG0.net
ザァー
(´・ω・`; )「ああ…本格的に降ってきた…」
川(゚)(゚)「うーん 自慢の前髪がびしょ濡れや」
(´・ω・`)「アドルフは前髪をいつも垂らしてるよね」
(´・ω・`)「せっかくの大きい目が隠れて勿体ないよ」
川(゚)(゚)「せやろか」
アドルフの顔は鼻筋が通っていて、すっきりした顔立ち
額は広く、いくぶん突き出ていて、鼻と口はわりと平凡
でも、なんといってもアドルフの特徴はその?目?にあった
85 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:40:01.39 ID:16zf69sG0.net
(ꐦ^ω^).。oO(ムッ、このまま調子に乗らせるわけには…)
(ꐦ^ω^)「全然、理論ができていても実際に弾けないと意味ないよ」
彡(^)(^)「ワイは天才やから、そんなも余裕や」
( ¯•ω•¯ )つ「じゃあ、ここにヴィオラがあるから弾いてみなよ」
彡(゚)(゚)ノ「こんなもん、こうや!」
彡(-)(-)ノ ビャバヤビィー
(´^ω^`)「なんだいその音www」
(´・ω・`)ノ「こうやるんだよ」
( ´-ω-` )ノ レー♬
(´^ω^`)「ね、頭で分かっていても実際には弾けないんだよ」
6 :風吹けば名無し:2024/05/11(土) 11:55:05.02 ID:16zf69sG0.net
ボクは彼の飲み込みの早さに驚かされた
理解力の点では間違いなくボクより優れていた
でも、音楽のセンスではボクの方が優っているように思えた
(´^ω^`) (^)(^)ミ
ボクと彼の話題は舞台のことでいっぱいだった
彼とは恐ろしく意見があい、喜びを覚えた
彡(-)(-)(´・ω・`)
でも、彼は自分のことを何一つ話さなかった
なのでボクも自分のことはなにも話さなかった
21 :風吹けば名無し 警備員[Lv.2][新苗]:2024/05/11(土) 12:05:30.80 ID:16zf69sG0.net
ボクの将来の夢は音楽家になること
ボクは音楽が大好きだった
日夜欠かさずに楽器の練習に励んでいた
でも、両親には黙っていた。心配させたくなかった
音楽家という将来が不透明な仕事に就きたいとは口が裂けても言えなかった
ボクには自分の本心を打ち明けられる人が誰もいなかった
72 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:32:56.88 ID:16zf69sG0.net
アドルフは極めて詳細に誘拐計画…愛の逃避行計画を練っていた
なんと!ボクの役割も決まっていた
ボクがステファニーの母と話して気を引いている隙に……
彼がステファニーを強奪するというのだ
はた迷惑にもほどがある…
でも、アドルフの計画には明らかな穴があった
65 :風吹けば名無し 警備員[Lv.3][新苗]:2024/05/11(土) 12:29:53.08 ID:16zf69sG0.net
(⁻◎ω◎⁻)「ボクの調べによるとね。 彼女はダンスが好きらしいよ」
彡;(゚)(゚)「ダ、ダンス…!?」
(´・ω・`)「これを気にやってみたら?」
(`・ω・´)「 上流階級の人間にとってダンスは必修科目だよ」
彡;(゚)(゚)「いやや!ダンスなんて無意味で無価値で…とにかく駄目や!」
彡;(゚)(゚)「想像してみいや!音楽のないダンスを!」
彡(゚)(゚)「あいつらは気が狂ってるってわかるやろ! 」
?パンを得るための仕事?
といいアドルフの着眼点、発想、言葉のチョイスには驚かされる
?音楽のないダンスは気が狂っている?
なんてボクにはとうてい思いつけない